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編集に関するお役立ちコラム

COLUMN

編集業務で使えるAI活用術|工程別の活用アイデアと注意点を解説

広報誌・機関誌・社内報の制作では、企画立案から取材、原稿作成、校正・校閲、デザイン、進行管理まで、数多くの工程を限られた人員と時間の中で進めなければなりません。「毎号のスケジュールがタイト」「人手不足で業務負担が大きい」といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか?

そんな中、近年では制作業務にAIを取り入れるケースも増えています。一方で、「まだまだAIを活用しきれていない」「どのツールを使えばよいのかわからない」と感じている方も少なくないでしょう。そこで本記事では、編集・制作業務における具体的なAI活用例をはじめ、各AIツールの特徴や利用時の注意点について詳しく解説します。AIの得意分野を理解したうえで活用することで、業務効率だけでなく、品質の向上も期待できます。

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編集業務×AI活用術

ここでは、広報誌・機関誌・社内報の制作業務や編集業務に必要な各工程ごとに、具体的なAIの活用例をご紹介します。

企画立案でのAI活用

テーマ・構成案のバリエーション生成

特集テーマや誌面全体の構成がまだ固まっていない段階でも、キーワードや目的、読者、媒体の方向性などをAIに入力することで、多様な切り口やテーマ案を短時間で提示してもらうことができます。その中から、媒体のトーンや読者層に合った案を選定したり、企画の叩き台として活用することで、ゼロから考える負担を大きく軽減できます。

また、AIを自分のアイデアを深めるための「壁打ち相手」として活用するのも有効です。「○○というテーマを若手社員にもわかりやすく伝えたい」「専門的な内容をかみ砕いて伝えたい」といった条件を加えることで、より具体的で有効なアイデアを引き出すことができます。

過去号の分析と課題点の抽出

大量のテキストを読み込み、傾向や特徴を整理する作業は、AIが得意とする分野です。担当者が過去号をすべて読み返して文政するには多くの時間がかかりますが、AIを活用すれば、「特集テーマが似通っている」「表現や切り口に偏りがある」「特定の読者層向けの記事が多い」といった傾向や課題を短時間で可視化できます。

編集担当者の引き継ぎ時や、新たに企画の方向性を見直したい場合にも、過去の蓄積を効率的に把握できるのは大きなメリットです。

読者アンケートの集計・分析

読者アンケートをAIに読み込ませることで、回答の集計や傾向分析を自動化できます。人気コーナーや評価の高い企画、不満点などを整理することで、読者のインサイトを短時間で把握することが可能です。

ただし、個人情報や機密情報が含まれるアンケートを扱う際には注意が必要です。情報漏洩リスクを避けるため、AIに読み込ませる際には個人が特定できる情報は除外するなど、情報管理を徹底しましょう。

▼読者アンケートの作成方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

【質問例あり】読者アンケートの作り方とは?効果的な内容と書き方のコツ

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取材でのAI活用

取材依頼書の作成

AIを活用すれば、取材依頼書の雛型や文面を短時間で作成できます。相手に失礼のない表現や、目的が伝わりやすい構成の提案を受けることも可能です。また、記載内容の過不足もチェックでき、依頼時の情報の抜け漏れ防止にもつながります。

▼取材先の選び方や依頼書の作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

【文例あり】取材依頼の基本を解説!取材先の選び方・依頼書やメールの書き方とは?

事前の情報整理

取材前には、相手の経歴や関連資料などのリサーチが必要ですが、大量の情報を短時間で頭に入れるのは容易ではありません。そこでAIに情報を読み込ませることで、要点を整理・要約し、取材に必要な背景理解を効率的に深めることができます。

インタビュー項目の作成

取材目的やテーマ、取材相手の情報、媒体のトーンなどをAIに伝えることで、インタビューにおける質問案を作成することができます。質問項目の抜け漏れ防止に加え、話を引き出すために効果的な質問の仕方なども考えることができます。

取材音声の文字起こし

取材後に欠かせない音声の文字起こしも、AIを活用すれば短時間で行えます。録音データをアップロードするだけで自動でテキスト化できるため、作業時間を大幅に削減できます。ただし、固有名詞や専門用語は誤変換が起きやすかったり、ツールによって精度が異なるため、必ず人の目による確認・修正が必要です。

取材後の要点整理

文字起こしデータをAIに読み込ませることで、インタビュー全体の流れや主要な話題、強調すべきポイントなどを整理し、要点をまとめることができます。ツールによっては、音声の読み込みから文字起こし、要点整理までを一括で行えるものもあり、効率的に記事化することが可能です。

原稿作成におけるAI活用

構成案の作成

取材内容や参考資料をもとに、AIが記事の構成案や目次を作成することができます。情報の過不足や全体のバランスを確認しながら、読みやすい流れを組み立てる際の補助として活用できるでしょう。

見出し作成

原稿をAIに読み込ませることで、記事タイトルや見出し案を生成できます。読者の関心を引くキャッチ―な表現の提案や、自身が考えた見出しのブラッシュアップにも活用できます。

原稿の草案作成

取材メモや構成案などをもとに、AIが原稿のたたき台を作成することも可能です。媒体のトーンや読者の属性、文字数などを条件として与えることで、より完成度の高い草案を作成できます。ただし、AIが生成した文章をそのまま使用するのではなく、必ず人が内容や表現を確認し、編集者の視点で内容を調整することが重要です。

校正・校閲・チェックにおけるAI活用

表記統一・誤字脱字チェック

AIは大量のテキストを瞬時にチェックできるため、人が見逃しがちな誤字脱字や表記ゆれを効率的に検出できます。原稿と表記統一表を読み込ませることで、差分を自動的に洗い出すことも可能です。人の目とAIのダブルチェックを行うことで、校正精度の向上が期待できるでしょう。

▼以下の記事では、誤字脱字チェックのコツをご紹介しています。

誤字脱字を見逃さない!プロが教える校正・チェック方法徹底ガイド

ファクトチェック

原稿内の情報が事実と合っているか確認する際にもAIを活用できます。事実と異なる可能性がある箇所の指摘や、修正案の提示を受けることが可能です。

ただし、AIは誤った情報を生成する「ハルシネーション」を起こすことがあるため、出典の明記を徹底したり、検索機能に強いAIツールを活用するなど、慎重に使用しましょう。

▼校正と校閲の違いや、校閲時のポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

校閲とは?校正との違いやポイントを解説【知っておきたい編集用語②】

原稿のリライト

人が作成した原稿をAIに読み込ませることで、主語と述語の不一致、接続詞の誤り、文章構造の不自然さなどをチェックできます。執筆者自身では気づきにくい文体の癖や表現の偏りを客観的に確認でき、全体の読みやすさを整えるのに役立ちます。

デザイン・画像生成におけるAI活用

ビジュアルの方向性の検討

誌面のビジュアルトーンや配色、デザインの方向性を検討する際にもAIは有効です。複数のイメージ案を短時間で提示できるため、頭の中のイメージを具現化し、チーム内で共有する際の材料としても活用できます。

イラスト・アイコンの生成

画像生成AIを使えば、アイコンや挿絵などを手軽に生成することができます。制作コストや制作時間の削減につながる点は大きなメリットと言えるでしょう。

一方で、「いかにもAI生成」と感じられるビジュアルを多用すると、読者に違和感を与える可能性もあるため、使用頻度やテイストには注意が必要です。フリー素材と併用するなど、バランスを意識した運用がおすすめです。

制作・ワークフロー効率化におけるAI活用

依頼書類・定型原稿のフォーマット作成

取材依頼書や編集会議用資料、定型原稿などをAIでフォーマット化しておくことで、毎号の作業工数を大幅に削減できます。属人的になりがちな書類作成を標準化する効果も期待できるでしょう。

マニュアル作成

表記統一表や校正ルール、制作フローなどはマニュアルとしてまとめておくことで、業務の属人化を防ぎ、引き継ぎ時にも役立ちます。ノウハウをAIに読み込ませることで、短時間でマニュアルの作成・更新が可能になります。

スケジュール作成

制作工程や発行日をAIに入力すれば、制作スケジュールを作成することができます。工程ごとの所要時間を考慮した計画や、遅延リスクの高い箇所の洗い出し、余裕を持たせたスケジュール案の提案なども可能です。

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編集業務に活用できる代表的なAIツール

編集業務にAIを取り入れるにあたり、各AIツールがそれぞれ「何ができるか」「何が得意か」を知っておくことが重要です。AIツールにはそれぞれ得意分野があり、目的に応じて使い分けることで、効率と品質の両立につながります。

ここでは、編集業務で活用しやすい代表的なAIツールである、ChatGPT・Claude・Gemini・NotebookLMについて、それぞれの特徴や強み、具体的な活用例をご紹介します。

ChatGPT

ChatGPTは、編集業務全体を横断的にサポートできる汎用性の高いAIです。アイデア出しや文章生成が得意で、日本語表現が自然なため、企画立案・原稿作成・要約・リライト・校正など、編集者が日常的に行う業務の多くをサポートすることができます。

【活用例】
・特集テーマや構成案のアイデア出し
・取材内容をもとにした記事構成の整理
・原稿のたたき台作成や文章の言い換え、リライト
・見出し、タイトル案の複数提案
・誤字脱字、表記ゆれチェック

Claude

Claudeは、一度に大量の文章を扱える点が大きな特長です。長文処理と要約、文章構造の把握が得意で、文脈を踏まえた論理的な情報整理が可能です。長文原稿や取材内容の要約など、文章量が多い場合や複数資料をまとめて読み込ませたい場合に向いています。

【活用例】
・取材音声の文字起こしデータの要点整理
・長文原稿の構成チェック
・過去号の記事をまとめて読み込ませ、傾向や課題を分析

Gemini

Geminiは、調査や情報整理に強く、幅広い知識をもとにした説明が得意なため、情報収集や事実確認など、リサーチ関連の作業に向いています。先述のとおり人の目による最終チェックは欠かせませんが、調査や事前理解において、情報整理の効率化をサポートしてくれます。

【活用例】
・特集テーマに関する基礎情報の整理
・取材前の業界・人物・用語の下調べ
・原稿内の専門用語や背景情報の補足
・校閲業務の補助

NotebookLM

NotebookLMは、自分で用意した資料(PDF、原稿、議事録など)をもとに、内容理解や要約、整理を行うことに特化したAIです。他のAIとは異なり、ユーザーがアップロードした資料のみを情報源とするため、外部情報ではなく「社内資料」「過去の制作物」をベースにした編集業務と相性が良いのが特長です。

【活用例】
・過去号や制作資料をもとにした傾向分析、企画立案
・編集会議の議事録の要点整理
・引き継ぎ用の資料作成
・校正ルールや表記統一表をベースにしたチェック作業

AI活用時の注意点

AIまかせはNG

AIは編集業務を効率化することができる便利なツールですが、判断や最終的な意思決定をすべてAIまかせにしてしまうのはNGです。AIが出力した内容はあくまで「候補」「たたき台」「第三者の視点」として捉え、「本当に媒体の方針に合っているか」「読者に誤解を与えないか」「組織として発信して問題ない内容か」といった観点で必ず人が確認・調整するようにしましょう。

また、AIは汎用的な表現を得意とする一方で、媒体ごとの細かなトーンやルールまでは完全に理解できません。敬体・常体の使い分け、社内用語、業界特有の言い回しなどは、人がチェックして調整する必要があります。AIは編集者の代わりになるものではなく、編集者をサポートする存在として活用することが重要です。

情報の正確性

生成AIは、短時間でクオリティの高い文章を生成できる一方で、事実と異なる情報を出力する可能性があります。AIを使って校閲業務をサポートすることは可能ですが、その情報が本当に正しいかどうかの最終確認は、必ず人が行うようにしましょう。特に、数値データや法律、固有名詞、時系列などの情報には注意が必要です。これらを含む内容をAIが生成した場合、必ず一次情報や公式資料で裏取りを行うようにしましょう。

NotebookLMのように、外部資料を参照せずに自分が用意した資料のみをソースとするAIツールを使うのも一つの方法です。

著作権・知的財産権の侵害

AIはインターネット上の情報を学習して回答を出力するため、AIが生成した文章や画像については、著作権や知的財産権に十分な注意が必要です。

文章においては、特定の書籍・記事・Webサイトの表現に酷似した内容が生成される可能性があり、画像生成においては、既存の作品やキャラクター、特定の作家の作風に近い画像が出力されるケースもあります。「既存コンテンツの模倣になっていないか」「組織や媒体のガイドラインに沿っているか」といった点を必ず確認しましょう。

情報漏洩リスク

生成AIを利用する際にもっとも注意すべき点の一つが、情報漏洩のリスクです。個人情報、非公開情報、内部情報、機密事項などは、原則としてAIに入力しないようにしましょう。

特に無料版のAIツールでは、入力内容が学習データとして使われる可能性もあります。業務で利用する場合には、法人向けプランを利用するのも一つの方法です。社内でAIを利用する際のルールを明文化しておくのもよいでしょう。

まとめ

広報誌・機関誌・社内報などの編集業務において、AIは編集担当者の業務をサポートする役割として大きく貢献し、業務負担の軽減につながる便利なツールです。AIを上手に活用することで、編集担当者は企画の質を高めたり、取材対象と向き合ったり、読者視点で内容をブラッシュアップする、人間にしかできない、本来注力すべき業務に時間を使うことができます。

一方で、AIを利用する際には情報の正確性や著作権、セキュリティといった点に十分注意が必要であり、「AIにまかせきり」にするのではなく、必ず人の目と判断を通すことが重要です。AIの特性やリスクを正しく理解し、適切な工程・用途で使い分けるようにしましょう。

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