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コラム

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校閲とは?校正との違いやポイントを解説
【知っておきたい編集用語②】

校閲とは

校閲とは、文章を読んで内容に間違いがないかどうか、正しい情報かどうかを調べることです。
具体的には、

・事実と異なっていないか
・文章内に矛盾が生じていないか
・人名や地名などの固有名詞に誤りがないか

などをチェックします。
校閲では、文章を徹底的に読み込んだ上で、別の資料の確認や事実確認などが行われます。

・差別的な表現を使用していないか
・読者を不快にする表現が含まれていないか
・無断転載がないか

といった観点からのチェックも校閲の役割となります。

校正と校閲の違い

「校正」と「校閲」はどちらも文章の間違いを正す作業でよく似た言葉ですが、校正と校閲ではチェックしている観点が異なります。校閲が文章を読んで内容の間違いを正す作業なのに対し、校正は文章の内容には踏み込まず制作過程で発生した誤りや表記間違いを正すことを指します。

校正・・・文字や記号など表記の誤り、制作過程で発生した誤りをチェックして正す
校閲・・・内容の誤りをチェックして正す

▼校正については「校正とは?精度を上げる5つのポイント」の記事で詳しくご紹介していますのでこちらもあわせてご覧ください。

校正とは?精度を上げる5つのポイント【知っておきたい編集用語①】

校閲時のポイント

1.間違いがある前提でチェックする
校正にも共通することですが、間違いが発生する大きな要因の一つは「合っているだろう」と思い込んでしまうことです。校閲する際には「これは本当に正しいのだろうか?」と常に疑う姿勢でチェックすることで小さなミスも見逃しにくくなります。

特に「敷居が高い」「役不足」「煮詰まる」などをはじめとし、慣用句は本来の意味と異なって使われることが多く、間違えて理解しているケースも少なくありません。「大丈夫だろう」と思っても本当に意味が合っているのかどうか調べて確認するようにしましょう。

2.人名や地名などの固有名詞・数字は念入りに
人名や地名、会社名や商品名などの固有名詞は間違えると相手に不快感を与えてしまう可能性もあるため、特に入念にチェックすることが大切です。大文字/小文字、半角/全角、スペルなど少しの間違いもないように注意しましょう。

また、数字も間違いが起こりやすい部分と言えます。桁や単位などを間違えるだけでも全く違う意味になってしまうため、本当に正しい数値なのか、データに間違いはないか、データを引用する場合は引用元と照らし合わせて確認することが大切です。

3.事実確認は必ず行う
間違った情報を発信してしまうと読者からの信用問題にかかわります。媒体や発行元そのものに対する不信感につながる可能性もあるため、気になった箇所は必ず事実確認を行うようにしましょう。

歴史的な出来事や専門的な内容は特に注意が必要です。情報の出どころは信用できるのか、時系列や年号、因果関係に誤りがないか、一つの情報源だけでなく複数の情報を照らし合わせて事実確認を行うことが大切です。

また、「情報が更新されているのに気が付かず古い情報を載せていた…」というのもよくあるケースです。名称、住所、営業時間など、載せている情報が最新のものかどうかも必ず確認するようにしましょう。

4.文章を読み込む
校正とは?精度を上げる5つのポイント」では校正のポイントとして「文章を読もうとしない」とお伝えしましたが、校閲では「文章を読み込むこと」が重要になります。一文一文単体のチェックだけでなく、文章全体を通して違和感がないかどうか、矛盾している箇所がないかどうか、一貫性があるかどうか、などもチェックするようにしましょう。

また、細かい部分をチェックしていると俯瞰で見たときに思わぬミスを見逃しやすくなります。質問と答えが対応しているか、話の途中でテーマがすり替わっていないか、など記事全体を通して読み込むことも大切です。

5.ポリティカル・コレクトネスやコンプライアンスにも気を付ける
ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)とは、直訳すると「政治的な正しさ」という意味で、人種、国籍、性別、宗教など、あらゆる差別をなくし中立的な表現をすることを指します。

冒頭でお伝えしたように、校閲では事実確認や誤表記のほかにも「差別的な表現を使用していないか」「読者を不快にする表現が含まれていないか」といったチェックも必要です。例えば、「看護婦」「外人」など偏見を含む表現の使用は避け「看護師」「外国人」と言い換えることが望ましいとされています。あまり気にしすぎるとかえってやりすぎな印象を与えてしまう可能性もありますが、媒体によって基準が異なるため事前にルールを確認しておくとよいでしょう。

また、無断転載はないかどうか、引用時のルールが守られているかどうか、著作権侵害はないかどうか、といったコンプライアンス面をチェックすることも重要です。違反してしまうと大きなトラブルにつながる恐れもあるため、外部のコンテンツを使用する際は、利用規約やルールなどを必ず確認するようにしましょう。

校正とは?精度を上げる5つのポイント」の記事でご紹介した5つのポイントも校閲時に活用できますので、ぜひ試してみてください。

まとめ

今回は校正と校閲の違い、校閲時のポイントについてご紹介しました。

間違った情報を発信してしまうと読者からの信用を失うだけでなく、内容によっては大きなトラブルにつながる可能性もあります。校閲は時間のかかる作業ですが、一つひとつ細かくチェックするようにしましょう。見落としを防ぐために、ダブルチェックを行ったり事前にチェックリストを作成するのも効果的です。

今回ご紹介したポイントを押さえて、正しい情報をわかりやすく発信していきましょう。

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