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コラム

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校正とは?精度を上げる5つのポイント
【知っておきたい編集用語①】

どんなに良い内容が書いてあったとしても、誤字脱字や表記ゆれ、体裁の崩れなどが多いと読者は読みにくさを感じ、それだけで文章そのものの信用度が下がってしまうことがあります。

そこで欠かせないのが「校正」です。社内でチェックをしたり、外部の制作会社などとやりとりをする中でも「校正」という言葉を耳にする機会も多いかと思います。

編集業務に携わっている方にとっては当たり前のように使っている「校正」ですが、その役割や具体的な作業内容について、なんとなくしかわかっていない…という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、校正の具体的な役割と基本的な校正ルール、精度を上げるためのポイントについてご紹介いたします。

校正とは

校正とは、具体的には三つの役割があります。

一つ目は、元の原稿と初校を突き合わせて誤りがないかどうかを確認することです。写真などが指示通り正しく配置されているかどうか、抜けている箇所がないかどうか、誤植がないかどうかなどをチェックします。

二つ目は、初校と再校、再校と三校などを突き合わせて、修正の誤りがないかどうかを確認することです。書き込まれた修正指示(赤字)が正しく反映されているか、修正漏れがないかどうかなどをチェックします。

三つ目は、文章内に誤字脱字や表記ゆれなど、文字の誤りがないかどうかを確認することです。媒体ごとに表記ルールが定められている場合はそのルールに沿って表記統一を行うこともあり、この作業は文字校正とも呼ばれます。

つまり、校正においてチェックするのはあくまで原稿・赤字と比較したときの誤りや表記の誤りであり、文章の内容や情報の真偽に関しては踏み込みません。このような文章の内容に関する誤りを正す作業は「校閲」にあたります。

▼校閲については詳しくはこちらの記事でご紹介しています。

校閲とは?校正との違いやポイントを解説【知っておきたい編集用語②】

また、制作側が修正を行った際、クライアントに提出する前に作業者や担当者が内部で校正を行い、修正が正しく反映されているか確認することを内校(うちこう/ないこう)と言います。

校正・推敲・査読の違い

ここまで校正についてご紹介しましたが、似ている言葉に「推敲」と「査読」があります。「校正」は書き終わった原稿の表記ミスをチェックしたり制作過程で発生した誤りを正すことを指し、誰が確認するかは問いません。一方、「推敲」は文章を書く中で執筆者自身が何度も読み返し、チェック・修正することを指しています。執筆者以外がチェックする場合には推敲とは言いません。

また、「査読」とは主に学会に投稿された学術論文などにおいて、査読委員や専門家が内容の査定を行うことです。投稿規定に沿っているかという体裁から内容の妥当性まで、細かくチェックを行い、論文を掲載するかどうかを検討します。

校正の精度を上げる5つのポイント

1.プリントアウトしてチェックする

PC画面の場合、スクロールや画面の切り替えをする中でどうしても見落としやミスが出やすくなってしまいます。PDFなどのデータだけでなく紙にプリントアウトすることで、一文字ずつ文字を追ったり、修正前と後を見比べたりなど、細かいチェックがしやすくなります。作成している文章を最終的に印刷する場合は特に、実際にプリントアウトして確認することで、印刷したときの見え方やバランスなどもあわせてチェックすることができます。

2.一度に行う作業を絞る

原稿との突き合わせと表記統一を同時に行うなど、一度に複数の項目を並行してチェックしようとすると、作業が煩雑になり間違いを見逃しやすくなります。まずは原稿との突き合わせを行い、その後に表記統一を行う…というように、一度に行う作業やチェックする項目を絞るのがよいでしょう。細かいチェックを行う際にも、まずはページ数が正しく通っているかだけをチェックする、2週目で修正箇所が直っているかをチェックするなど、確認する項目を絞るのも効果的です。

3.文章を読もうとしない

校閲の場合は文章を読み込む必要がありますが、校正の場合は文章を読みながら進めてしまうと内容のほうに意識がいき、誤りがあっても勝手に脳内で変換してしまったり、先入観や思い込みなどから間違いを見逃してしまう可能性が高まります。

細かい誤字脱字をチェックしたり突き合わせを行う際には、文章を読もうとするのではなく、記号や図形を見るようなイメージのほうが間違いを見つけやすいです。文脈に影響されないよう、文章を逆さから読んで文字をチェックしていくのも効果的な方法の一つです。

4.複数人でチェックする

一人でチェックしているとどうしても気が付けない点や抜け漏れが出てきてしまうことがあります。校正の精度を上げるためにも、できれば複数人でチェックすることが望ましいです。特に、自分の書いた文章は客観的な視点で見られないため、第三者にチェックしてもらうのがよいでしょう。

時間や人手の問題で複数人でのチェックが難しい場合でも、電話番号などの連絡先、固有名詞など情報に優先順位をつけて、重要な箇所だけでも複数人でチェックすることをおすすめします。

5.時間をおいてチェックする

一人で校正を行う場合には、少し時間をおいてチェックすることも効果的です。
時間を空けずにチェックすると「さっき確認したから大丈夫だろう」という油断が生まれてしまいがちです。一旦他の作業をするなど少し時間をおくことで、思考が切り替えられて客観的にチェックできるようになるため、見落としていた箇所も発見しやすくなります。

まとめ

今回は、校正とは何か、校正の精度を上げるためのポイントについてご紹介しました。

どんなに良い内容が書いてあったとしても、誤字脱字や表記ゆれが多いだけで読者からの信用は低下してしまいます。校正は、媒体や発行元の信頼度を高める大切な業務です。読みやすく、説得力のある文章にするためにも、校正には時間をかけ、丁寧にチェックするようにしましょう。

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