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文字の大きさを表す「級」と「ポイント」の違い
【知っておきたい編集用語③】

文字の大きさを表す際には、「級」や「ポイント」といった単位が使われます。「ポイント(pt)」はExcelやWord、PowerPointなどのソフトウェアでも広く使用される単位ですが、「級」はあまり馴染みがなかったり、ポイントとの具体的な違いが分からないと感じる方も少なくないでしょう。

本記事では、「級」と「ポイント」のそれぞれの意味とその違いについてご紹介いたします。

級(Q)とは

「級」とは、写真の仕組みを用いて印字する方法である「写植(写真植字)」が開発された時代において、日本が独自に設定した文字サイズの単位です。

1級=0.25mmであり、この0.25mmが1mmの4分の1であることから、「Quarter」の頭文字を取って、校正記号では「Q」と表記されます。そのため、校正において文字の級数を指定する際は「10Q」などと表し、文字サイズを大きくする場合は「Q上ゲ」、小さくする場合は「Q下ゲ」と記載します。

「級」は、正確なミリ換算がしやすいという特徴があります。例えば、「4級=1mm」「8級=2mm」「12級=3mm」といった具体的な換算が可能で、これにより誌面の余白を考慮したり、細かい微調整を行いやすくなっています。そのため、文字量が多い誌面制作などに適していると言えるでしょう。

ポイント(pt)とは

「ポイント」とは、欧米の活字に基づいて設定された文字サイズの単位です。文字だけでなく図形や線の大きさを表す際の単位としても使われており、校正記号では「ポ」「pt」と表されます。

1ポイント=1/72インチが基準とされており、1インチ=25.4mmであることから、一般的なDTPソフトなどでは1ポイント=0.3528mmとなっています。ただし、日本ではJIS(日本産業規格)によって1ポイント=0.3514mmと規定されているため注意が必要です。

DTPソフトとJIS規格で違うように、国や地域によってもポイントの定義が異なり、1ポイントあたりのミリ換算にはわずかな差が存在します。そのため「ポイント」は、ミリ単位の細かい調整が必要とされる制作物よりも、視覚的な文字の大小が重視されるデザイン性の高い制作物のほうが使いやすいと言えるでしょう。

級とポイントの違い

ここまでご紹介したように、まずは「級」と「ポイント」とでは基準としている単位が異なり、級はメートル、ポイントはインチに基づいています。そのため、正確な比較は難しいものの、「1級=0.25mm」に対し「1ポイント=1/74インチ=約0.35mm」のため、大きさとしてはポイントは級よりも約1.4倍大きくなります。

それぞれ基準となっている単位が違うため、「級」と「ポイント」どちらを使うのが適しているかは制作環境や制作物によって異なります。例えば、A4・B5などはmmを基準にしたサイズ表記のため、用紙サイズが決まっている制作物の場合は「級」のほうが文字数や余白を計算しやすいと言えますし、インチをベースにしたデザインの場合は「ポイント」の使用が適していると言えるでしょう。

級数とポイント数の換算

級とポイントは異なる単位を使用しているため、場合によっては換算が必要となるケースもあります。校正者がポイントで文字サイズを指定し、制作者がそれを級に変換して入力する、といったことも少なくありません。そのような場合には、以下のような換算表が使われることがあります。

参考:ポイント・級数・mm換算表 – DTP材料,DTP資料

ただ、ここまでの細かい換算を覚えておく必要はなく、

・1級=0.25mm
・1級の約1.4倍が1ポイント

という数値を理解しておくだけでも十分です。

印刷物の文字の大きさを測りたい場合

印刷物に記載された文字の大きさを知りたい場合は、「級数表(文字スケール)」を使用すると簡単に級数を測ることができます。級数表は、透明なシートにマス目や目盛りが印字されたものであり、これを印刷物の上に重ねて利用します。


参考:鴎来堂

まとめ

本記事では、文字の大きさを表す「級」と「ポイント」の意味と違いについてご紹介しました。

一般的には「ポイント」のほうがなじみがありますが、印刷物や編集の分野においては「級」のほうがよく使われています。これらの違いを理解しておくことで制作会社とのやりとりもスムーズになりますので、ぜひ覚えておくとよいでしょう。

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