読者満足度アップ!機関誌企画立案の5つのポイント
機関誌制作に取り組むなかで、毎号の企画やネタ探しに頭を悩ませているという方も多いのではないでしょうか?
機関誌は定期的に発行し続けるものだからこそ、マンネリ化は多くのご担当者様が直面する課題です。
しかしながら、どれほど素晴らしいデザインであっても、記事の内容が充実していなければ読者満足度を高めることは難しく、多くの人に読んでもらうためには、企画やコンテンツの質が非常に重要です。
そこでこの記事では、機関誌の制作ご担当者様に向けて、企画立案時に押さえておきたいポイントについてご紹介いたします。
機関誌における企画立案のポイント
1.現状を把握する
企画を立案する際、まず重要なのは現状を把握することです。以下の観点から分析することで、効果的な企画の方向性が見えてきます。
・どのような人が機関誌を読んでいるのか
・どのような記事を掲載しているのか
・読者ニーズとコンテンツのバランスがマッチしているか
これらの「読者」「機関誌タイプ」「コンテンツバランス」の3点をしっかりと分析することで、新たな視点や気づきを得られることもあります。表にまとめたり、書き出すなど、可視化することが重要です。
読者の属性を明確にする
まずは、どのような人が読んでいるのか、読者の具体像を明らかにしましょう。以下の項目を軸に分析していきます。
・業種(例:メーカー、販売、施工、研究機関など)
・職種(例:営業、総務、企画、生産、研究など)
・役職(例:一般社員、中間管理職、経営層など)
・キャリアや年代(例:新人、若手、中堅、ベテランなど)
読者の属性が明確になったら、次のような視点でさらに掘り下げていきます。
・読者の課題やミッションは何か?
・その課題解決に役立つ情報とは?
このように読者像が具体化されることによって、読者に求められている記事もより明確に見えてくるため、企画の方向性も固まりやすくなります。
機関誌のタイプを把握する
「機関誌」と一言で言っても、発信先や記事内容によって大きく3つに分類されます。
発行している機関誌がどのタイプに当てはまるのかを確認しましょう。
(1) 会報・・・会員に対して、協会活動報告を中心に構成された媒体
(2) 情報誌・・・会員に対して、技術、知識、最新動向、関連する業界情報を中心に構成された媒体
(3) 広報誌・・・会員だけではなく、他業界や非会員など、一般向けに対しても、協会や業界の情報を広く伝える媒体
▼ 配信先と記事内容から見た機関誌タイプ分けマップ
掲載コンテンツのバランスを分析する
続いて、現在の機関誌においてどのような記事が多いのか、コンテンツのバランスを分析します。
以下のような形式でコンテンツを整理することで、バランスが可視化され、偏りや不足が一目でわかるようになります。
掲載コンテンツのバランスが可視化できたら、それが読者の属性やニーズ、機関誌タイプにマッチしているか照らし合わせます。
(例)
〇研究機関や専門家へ向けた媒体のため、専門性の高い記事を充実させており、読者ニーズに合っている
×一般読者向けにも発行している広報誌だが、活動報告ばかり掲載しており読者ニーズに合っていない
例えば、コンテンツバランスに偏りがあったとしても、それが読者ニーズとマッチしていれば問題ありません。分析結果を踏まえ、コンテンツが読者のニーズに合っていない場合には、読者のニーズに即した新しい企画の立案が必要です。
2.目的を明確にする
企画立案においては、「どのような媒体を目指すのか」という目的やゴールを設定することも重要です。
(例)
・会員向けの情報を充実させ、会員の満足度を向上させたい
・若手の業界理解を深め、業界全体を活性化させたい
目的やゴールを明確にすることで、「実現させるためには、読後、読者にどうなってほしいのか」「そのためにはどのようなコンテンツが必要なのか」を逆算することができ、具体的な企画が考えやすくなります。
3.独自性を出す
読者に「この機関誌ならでは」と感じてもらえる独自性を付加することが、読者満足度の向上や、機関誌の価値向上、他誌との差別化につながります。
「独自性」とは必ずしも「どこにも載っていない情報」という意味ではなく、独自の切り口や実体験をもとにした情報、独自取材など、「自分たちだからこそ伝えられる情報」であることが重要です。
(例)
・専門性の高い情報
・独自の視点やアプローチ
・実体験や独自取材をもとに集めた情報や事例
こうした情報は読者の関心を引きやすく、記憶にも残りやすいでしょう。
4.タイムリーな情報を入れる
最新の業界トピックスや社会の動向など、時事や季節に合わせた内容を取り入れることで、読者の興味を引きやすくなります。ただし、発行するタイミングによっては、読者の手元に届く頃には情報が古くなってしまうこともあるため注意が必要です。発行時期と情報の鮮度を考慮して、企画を考えましょう。
また、機関誌をWeb化したり、Web媒体を併用することも、よりリアルタイムな情報発信の手段として有効です。
5.効果測定を行う
機関誌は発行して終わりではなく、その後の効果測定を行うことが望ましいです。効果測定の実施により読者の反応を知ることで、次号の企画立案に活かすことができます。
(例)
・紙媒体…読者アンケート、ヒアリング
・Web媒体…Web解析ツール(閲覧数、滞在時間、エンゲージメント)
PDCAサイクルを回しながら改善を続けることで、読者ニーズをより的確に反映させた機関誌を作ることができます。
まとめ
今回は、機関誌の企画立案における5つのポイントについてご紹介しました。まずは発行している機関誌の現状を知ることが、企画の基盤を固める重要なステップです。
企画立案にしっかりと時間をかけ、読者のニーズを的確に捉えた企画を掲載することで、より魅力的な機関誌を実現できるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。