
カメラ初心者でも一気にプロっぽく!
広報誌・社内報・機関誌で使える撮り方&構図のコツ
広報誌や社内報、機関誌を制作していると、「内容は悪くないのに、写真のせいでなんだか誌面が野暮ったく見える」「プロカメラマンに頼めないから、いつもスマホで慌てて撮っている」という、写真に関する悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
読者がページを開いた“最初の3秒”の印象を左右するのは、写真のクオリティ。一方で、広報担当者の多くは専門知識を持った「写真のプロ」ではなく、限られた時間と機材で広報誌・社内報・機関誌の撮影まで任されているのが現実です。
そこで本記事では、撮影前の準備、撮り方・構図の基本、シーン別の撮影ポイントなど、「社内で撮った写真でも、十分“それっぽく”見える誌面」に近づけるコツをご紹介します。
1. なぜ広報誌・社内報・機関誌には「伝わる写真」が必要?
まずは、広報誌や社内報において写真が果たす役割を整理しましょう。ここが押さえられていると、優先的に撮るべき写真や、表紙・特集にふさわしいカットが自然と見えてきます。
1-1. 広報誌・社内報・機関誌における写真の役割とは?
広報誌や社内報、機関誌のページを開いたとき、多くの読者は最初に写真に目を向けます。写真から「誰が」「どんな雰囲気で」「何をしているのか」が直感的に伝わることで、「読んでみよう」という気持ちになるのです。
また、広報写真には大きく2つの役割があります。
出来事を記録する写真(記録写真)
誰が参加したか、どこで何が行われたかを残す役割。集合写真や、イベント全体の様子が分かるカットなど。
読むきっかけをつくる写真(アイキャッチ写真)
表情や雰囲気から「おもしろそう」と感じてもらう役割。表紙や特集のメイン写真、印象的なワンシーンなど。
撮影時には「とりあえず撮って、あとで選ぶ」ではなく、「この写真は記録用か、アイキャッチ用か」を意識するだけで、撮り方や構図が変わり、誌面全体の印象も引き締まります。
1-2. 紙とWebの違い
最近は紙媒体だけでなく、Web社内報やPDF配信も増えています。同じ写真でも、媒介によって求められる役割や見え方が変わります。
紙媒体(広報誌・社内報・機関誌)
・見開きや1ページ単位で「世界観」や「まとまり」を出すことが重要
・写真と見出し、本文、キャプションなどを組み合わせて、じっくり読ませる
Web社内報・イントラネット
・タイトル+サムネイル写真で「クリックされるか」が決まる
・スマホで縦スクロールされることもあるため、インパクトのある1枚がより重要
紙媒体用に撮影する場合も、Webにも使うかもしれないことを想定して、横位置・余白多めで撮影しておくと、後のトリミングやレイアウトの自由度がぐっと上がります。
▼広報誌のデジタル化を成功させるためのポイントについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
2. 撮影前の準備:何を伝えるか決める
撮影は「現場に着いてから」がスタートではありません。準備の段階でどこまでイメージを固めておけるかで、当日の余裕や撮れ高が大きく変わります。ここでは、撮影前に最低限やっておきたい準備を整理します。
2-1. 「主役」と「伝えたいこと」を決める
良い写真は、シャッターを押す前から勝負が決まっています。主役が明確であれば自然と構図や撮り方が決まり、逆に主役が曖昧だと、人物が小さすぎたり背景に不要なものが写り込んだりと、よくある失敗につながります。
撮影前には、写真で何を伝えたいのかを言葉にしてみましょう。
【例】
・「新入社員のフレッシュな表情を見せたい」
・「イベントのにぎわいを伝えたい」
・「真剣に働く姿を見せたい」
「このカットは『○○さんの笑顔』を主役に」といったメモをしておくだけでも、カメラを構えたときの意識が変わります。
▼以下の記事では、すぐに使える社内報の企画アイデアをご紹介しています。
2-2. 広報誌・社内報・機関誌用の撮影リストを作る
後から「表紙用の写真を撮り忘れた…」と気づいても、取り返しがつきません。そこでおすすめなのが、事前に撮影リストを作っておくことです。
【例】イベント特集ページの撮影リスト
・会場の全景
・受付の様子
・開会の挨拶
・講演・発表の様子(話者のアップ+会場の雰囲気)
・参加者の表情(聞く姿、話し合う姿)
・グループワークや実習の様子
・閉会・拍手の場面
・集合写真
ここで意識したいのは、「誌面のレイアウトをざっくり想像しながらリストを作る」ことです。あとからレイアウトを組むときに、「メイン写真」「サブ写真」「小さく入れる説明カット」が揃っていると、格段にスムーズになります。
2-3. ロケハンと背景・服装・小物のチェック
可能であれば、事前に撮影場所を軽く見ておく(ロケハン)と安心です。ロケハンの際には、以下の3つのポイントを確認しておきましょう。
光
・窓の位置、時間帯による明るさ
・逆光で顔が暗くならないか
背景
・段ボール、私物、配線など生活感のあるものが目立っていないか
・社外秘の資料やホワイトボードの内容は写り込んでいないか
スペース
・集合写真が組めるスペースがあるか
・椅子や机を動かす必要はあるか
あわせて、被写体になる人には服装・名札の有無などを事前に共有しておくと、「せっかくの広報写真なのに、ラフすぎる服装だった」という事態を避けられます。
3. これだけ押さえればOK!撮影の基本
準備ができたら、次は実際にシャッターを切るときの「基本動作」です。ここでは、機材や知識の差に関係なく、誰でも使える“最低限のコツ”に絞って整理します。すべてを完璧にこなす必要はなく、まずはできそうなポイントから一つずつ試してみる感覚で取り入れてみてください。
3-1. 光の当て方と明るさの整え方
写真の印象を大きく左右するのが「光」です。広報誌や社内報、機関誌の撮影では、次のポイントだけ押さえておきましょう。
・人物の顔に、真正面から強い光が当たりすぎないようにする
・室内では、窓からの柔らかい光が「斜め前」から当たる位置に立ってもらう
・背景に強い光源(窓や照明)があると、顔が暗く写りやすいので注意
スマホ撮影でも、画面を長押しして明るさを調整するだけで、印象は大きく変わります。「顔が暗いな」と感じたら、被写体の顔をタップして少し明るくしてからシャッターを切りましょう。
3-2. 構図の基本パターン(三分割・日の丸・対角線)
構図は「センス」の問題と思われがちですが、実は決まったパターンを使えば誰でも整った写真を撮ることができます。
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三分割法
画面を縦横に3分割した線をイメージし、その交点付近に主役の顔を置く構図。自然で安定した印象になります。
日の丸構図
主役を画面の中央に大きく配置する構図。表紙や扉ページなど、「この人!」と強く見せたいときに有効です。
対角線構図
テーブルの端や廊下、伸びた腕などのラインを斜めに使うと、画面に動きが生まれます。仕事風景やイベントの写真と相性が良い構図です。
どの構図でも共通して重要なのは、「主役が一目で分かること」「余計なものが写り込んでいないこと」です。シャッターを切る前に一歩前に出て、フレームの端に余計なものが混ざっていないか確認する習慣をつけるだけで、失敗がぐっと減ります。
3-3. ブレを防ぐ撮り方とカメラ設定の考え方
どれだけ構図がよくても、写真がブレていては台無しです。カメラの設定を細かく触れない場合でも、次のような工夫でブレを軽減できます。
・脇を軽く締め、両肘を体につけて構える
・壁や机に寄りかかって、体を固定する
・暗い場所ではズームしすぎない(ズームするとブレが目立ちやすい)
・イベントや動きのあるシーンでは、1枚だけでなく連写で数枚撮る
一眼レフやミラーレスの場合、人物撮影であればシャッタースピード1/125秒以上を目安に設定しておくと安心です。スマホの場合でも、ズームしすぎず、明るい場所を選ぶだけで、ブレやノイズをかなり減らせます。
3-4. 自然な表情や動きを引き出す声かけのコツ
広報誌や社内報の写真で意外と難しいのが、「自然な表情」を引き出すことです。「はい、笑ってくださーい」と言われると、多くの人はぎこちない表情になってしまいます。
自然な表情を引き出すには、次のような声かけが有効です。
・撮る前に軽く雑談し、会話の中で笑った瞬間を狙う
・「今のお話、すごくいいですね。そのままの感じで1枚撮らせてください」と声をかける
・仕事風景では、「いつも通りで大丈夫です」と伝えつつ、軽く手元を動かしてもらう(資料を指す、PCを操作するなど)
また、撮影時には、「3・2・1」のカウントでシャッターを切ると、目線が揃いやすくなります。同じ構図で最低3〜5枚は撮っておくと、目つぶりや半目のリスクを減らせます。「撮る枚数をケチらない」ことも大事なポイントです。
4. 広報誌・社内報でよく使うカットの撮り方
ここからは、広報誌・社内報・機関誌でよく使う場面ごとに、押さえておくと便利な具体的な撮り方の型をご紹介します。ひとつの型を覚えておくだけで、初めての現場でも落ち着いて撮影できます。
4-1. 集合写真の撮り方と並び方
集合写真は、広報誌や社内報、機関誌で最もよく使われる写真の1つです。ポイントは次の3つです。
・全員の顔がしっかり見えること
・被写体同士の間を空けすぎないこと
・段差を活かして、顔の高さをそろえること
背の高い人を後方へ、低い人を前へ配置し、階段やひな壇があれば積極的に活用しましょう。「もう一歩寄ってください」と声かけをして感覚を詰めてもらうのも効果的です。
4-2. インタビュー・対談・座談会写真の構図
人物インタビューや対談記事の写真は、「人となりや雰囲気」が伝わるかどうかが鍵になります。
1人インタビューの基本
・真横からではなく、やや斜め前から撮る
・背景はできるだけシンプルに(壁・本棚・観葉植物など)
・顔だけでなく、机・ノート・PCなど仕事道具を少し入れると「何をしている人か」が伝わりやすい
対談・座談会の基本
・全員が写った「場の雰囲気が分かるカット」を必ず撮る
・話している人のアップ、相槌を打つ相手の表情など、視線のやり取りが分かるカットを撮る
・テーブルを囲む配置の場合、片側に偏りすぎないように椅子を調整する
「全体 → 個人 → 手元」の順で撮ると、レイアウトするときに使いやすいバリエーションが揃います。
▼インタビュー取材の依頼方法や選び方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
4-3. 仕事風景・イベント写真で「動き」を切り取る
日仕事風景やイベントの写真では、「動き」と「感情」が伝わるかどうかがポイントです。
・作業している手元をアップで撮る
・資料やモニターをみんなで覗き込んでいる様子を斜めから撮る
・講演で話している人の横顔と、頷いている参加者を組み合わせて撮る
イベントでは、以下のように「俯瞰」と「寄り」の両方を意識すると、後から構成しやすくなります。
・会場全景(どんな場所で、どのくらいの規模か)
・スピーカーの表情
・参加者の表情や交流の様子
4-4. アイキャッチに使えるイメージカットの撮り方
表紙・扉ページ・連載のアイキャッチには、雰囲気を伝える写真(=イメージカット)が重宝します。ポイントは、「説明しすぎない写真を撮ること」です。何の写真か一目で分からなくても、「このテーマに関係していそうだ」と感じられれば十分です。表紙や見出しの近くに配置すると、広報誌・社内報・機関誌の世界観づくりに役立ちます。
【例】
・手元だけを写したカット(ペンを持つ手、資料をめくる手など)
・建物の外観や看板、社名サイン
・廊下やエントランスの一部、窓から見える空や街並み
5. まとめ
完璧を目指す必要はありませんが、広報写真には「押さえておきたいツボ」があります。特別な機材や高度な知識がなくても、「ここだけは」というポイントを押さえておくことで、誌面の印象は大きく変わります。今回ご紹介したポイントを意識して、魅力的な広報誌・社内報・機関誌の写真を撮影してみてください。
それでも、「担当者が少なくて撮影まで手が回らない」「撮影から編集・レイアウトまでまとめて任せたい」といったケースも多いはずです。そんな場合は、自社でできる部分は進めつつ、必要な部分だけ外部の撮影・編集パートナーを活用してみてはいかがでしょうか。




