取材・撮影・原稿整理・校正など、広報誌・機関誌専門の編集業務委託・BPOサービス【Edit Partners】

TEL : 03-3267-8211(受付時間:平日 10:00〜17:00)

編集に関するお役立ちコラム

COLUMN

広報誌・社内報で伝わる写真選びのコツ|レイアウト・トリミングの基本

広報誌や社内報、機関誌などの誌面作りにおいて、写真はページの第一印象を左右する重要な要素です。どんなに素晴らしい文章を書いたとしても、写真の使い方がいまいちだったり、1枚も写真が使われていなかったりすると、読者の興味を惹くことは難しくなってしまいます。

「そうは言っても写真にはあまり詳しくないし、どんな写真をどのように載せればいいかよくわからない……」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、読者の興味を惹くために効果的な写真の使い方を、「写真の選び方」「レイアウト」「構図とトリミング」という3つの基本的なステップに沿って解説します。順番に実践していくことで、これまで以上に魅力的な誌面が作れるようになるはずです。

広報誌・機関誌専門の編集業務委託・BPO

1. まずはここをチェック! 失敗しない写真の選び方

1-1. 読者の視線を集めるなら人物写真を選ぶ

読者の視線を集めるために、現場の人の写真を大きく載せた表紙のイメージ

誌面にインパクトを与えたい、読者の視線を集めたいという場合は、「人」が写っている写真を使用すると良いでしょう。私たちは人に強い関心を持ち、無意識に注目する傾向があるためです。

ただし、人物写真と一口に言っても、「表情」「人数」「写す範囲(引き/寄り)」の組み合わせによって、読者に与える印象は大きく変わります。誌面のテーマや伝えたい内容に合わせて、最適なパターンを選択しましょう。

表情

・笑顔:社員紹介や座談会、アットホームな活動報告など、「親しみやすさ」「安心感」「オープンな雰囲気」を印象づけたい場合におすすめです。

・真剣な顔:ドキュメンタリーや課題解決に関する特集など、「信頼性」「プロフェッショナリズム」「真摯さ」を印象づけたい場合に向いています。

人数

・1人:個人へのインタビューや新メンバー紹介、1日密着記事など、「一人ひとりの人柄やストーリー」を伝えたい場合におすすめです。

・複数人:プロジェクトチームの座談会や部門紹介、社内イベント報告など、「組織やチームの一体感」「チームワーク」「活気ある雰囲気」を伝えたい場合に向いています。

写す範囲

・引き:職場や現場での作業風景、オフィスの紹介など、「どんな場所で、どのように働いているのか」という全体像や現場の雰囲気を伝えるのに向いています。

・寄り:対談や熱い想いを語る記事など、「表情をダイレクトに伝えたい」「読者の視線を強く引きつけたい」場合におすすめです。

 

また、広報誌や社内報、機関誌などの場合、読者は知っている人の写真や名前を見つけると、思わず手を止めて誌面を読み進めることが少なくありません。身近な人が登場することで、誌面全体への興味・関心が高まりやすくなります。

そのため、表紙に人物写真を大きく載せたり、現場で働く社員や会員を登場させたりするなど、人がたくさん登場する誌面作りを意識すると、読者の興味を惹きやすくなるでしょう。

一方、風景写真は穏やかで落ち着いた印象を与えやすい反面、人物写真と比べるとインパクトが弱くなりがちです。風景写真を印象的に見せたい場合は、次にご紹介するように、写真の点数をできるだけ絞り、1枚あたりの存在感を高める工夫がおすすめです。

風景写真を使用している表紙のイメージ

1-2. 「主題」をはっきりさせて写真の点数を減らす

写真は、掲載する枚数が少ないほど、また1枚あたりのサイズが大きいほどインパクトが強くなります。「あれもこれも載せたい!」と小さい写真をたくさん並べてしまうと、1枚あたりの印象は薄れてしまうのです。

まずは、写真を通して何を伝えたいのかという「主題」をはっきりさせたうえで、掲載する枚数を厳選しましょう。ただし、このときに記事の企画やテーマが曖昧な状態だと、どのようなシーンを撮影し、どの写真を選べばよいのか判断が難しくなってしまいます。写真を効果的に使うためには、事前に企画をしっかりと練り、伝えたい内容を整理しておくことが不可欠です。

主題に沿った「主役の1枚」が決まったら、次は写真データそのものの「クオリティー(品質)」を確認しましょう。

▼以下の記事では、具体的な社内報の企画立案の手順をご紹介しています。

読まれる社内報はどう作る?企画立案の3ステップ

社内報の企画立案のポイントと企画例70選

1-3. 写真の画素数・解像度に注意

写真を選ぶ際に必ず確認したいのが、写真の「画素数」と「解像度」です。

関係者から集めた写真や、スマートフォンの画面ではきれいに見えていた写真が、いざ印刷してみると「モザイクがかかったように粗くなってしまった……」という失敗は、広報誌や社内報の制作現場でよくあるトラブルです。

これは、写真の画素数が、印刷したときにきれいに見える基準を満たしていない場合に起こります。

くっきり見える高解像度の画像とぼやけて見える低解像度の画像

上の例では、左側の写真は鮮明に見えていますが、右側の写真は画素数が不足しているため、ぼやけた状態になっています。

画素数とは、写真(画像)を構成する小さな点(ピクセル)の総数のことです。画素数が多いほど、より細かな情報を持った写真になり、データ容量も大きくなります。

一方、解像度とは、1インチ(約2.54cm)の中にどれだけの点(ピクセル)が並んでいるかを表し、「dpi(dots per inch/1インチごとの点の数)」という単位で示されます。画素数が「点の数」を表すのに対し、解像度は「点の密度」を表します。そのため、同じ大きさで印刷する場合、画素数が多い写真ほど解像度も高くなり、より高精細に見えるのです。

では、印刷するときに必要な解像度や画素数はどのくらいなのでしょうか?

写真の大きさにもよりますが、印刷物に適した解像度は300~350dpiが目安とされています。また、画素数(データ量)については、写真データのファイルの容量からある程度判断できます。JPEGファイルであれば、「ファイルサイズが1MB以上」ある写真を使用するのが良いでしょう。1MB以上あれば、一般的にはA4の半分(A5)までの印刷に耐えられる画素数を持っていると考えられます。

それよりも大きいサイズで印刷する場合は、よりファイルサイズ(画素数)が大きな写真を選びましょう。

2. 読者の目線を誘導しよう! 誌面がすっきりまとまるレイアウト

2-1. 写真の「向き」や「動き」で読者の視線をコントロールする

使う写真が決まったら、次はページ上のどこに配置するか(レイアウト)を考えていきましょう。

ここで意識したいのが、「読者の視線の動き」です。人の目は、被写体の「向き」や「動き」に自然と引っ張られる習性があります。

・人の「顔の向き」や「視線」
・手や指が「指し示している方向」
・走ったり歩いたりしている「進む向き」

こうした「動き」や「向き」がページの「外側(端)」を向いていると、読者の視線もつられてページの外へ流れてしまいます。せっかく記事を読もうとしていても、視線がページの外に誘導されてしまうのです。

そのため、写真は読んでほしい文章がある「内側」を向くように配置するのが基本です。写真の視線や動きの先に本文を配置することで、読者の視線をスムーズに文章へと誘導することができます。

2-2. 対談ページは写真を向かい合わせて臨場感を出す

この視線誘導のテクニックが最も活きるのが、インタビューや対談ページです。2人の話し手が登場する場合、それぞれの写真をページの「左右の両端」に配置し、お互いが内側を向いて向き合うようにレイアウトしてみましょう。

向き合うように写真を配置している対談記事のイメージ

こうすることで、ページの中に擬似的な「会話の空間」が生まれ、まるで読者がその場で対談を聞いているかのような臨場感を演出できます。また、内側を向いた2人の視線が自然と中央の本文へ向かうため、記事そのものが読みやすくなるというメリットもあります。

レイアウトに迷ったら、まずは「写真の人物がどこを見ているか」を確認し、視線がページの内側へ向くように配置してみてください。

2-3. 視線移動の基本「Zパターン」と「Fパターン」を意識する

写真の向きに加えて、「人の目がページをどのような順番で見るのか」という基本的なパターン(傾向)を知っておくと、レイアウトを考えやすくなります。

横書きの文章の場合、代表的なのが「Zパターン」と「Fパターン」です。

ZパターンとFパターンにおける視線の動きを示した図解イメージ

「Zパターン」とは、視線が「左上→右上→左下→右下」と、アルファベットの「Z」の文字を描くように動く傾向のことです。これは日ごろの読書習慣に基づく視線の動きで、アイトラッキング(視線計測)を用いた実験でも確認されています。

なお、日本語に多い縦書きの誌面では、視線が「右上→右下→左上→左下」と動く「Nパターン」になることが知られています。

一方、「Fパターン」は、読者が必要な情報を探しながらページを流し読みするときによく見られる視線の動きです。

・まず、コンテンツの上部を横方向に読む(Fの上の横棒)
・少し下に進み、再び横方向に読むが、1回目よりは短い(Fの下の横棒)
・最後に、ページの左側を縦方向に素早く読む(Fの縦棒)

これらの視線の動きをレイアウトに活かすには、最も見せたい写真や重要なキャッチコピーを、最初に視線が集まる「先頭の箇所」に配置することが大切です。また、流し読みでも目に留まりやすいように、目立つ見出しや小見出しを配置したり、文章の合間に目を引く写真を挟み込んだりして、読者の視線を引きつけ続ける工夫を凝らしましょう。

写真の「向き」だけでなく、こうした「視線の基本パターン」も意識してレイアウトすることで、見た目が美しいだけでなく「自然と読みやすい」誌面が完成します。

広報誌・機関誌専門の編集業務委託・BPO

3. メリハリと躍動感を! ジャンプ率とトリミングで魅せるテクニック

3-1. メイン写真の「ジャンプ率」を上げて主役を目立たせる

レイアウトが決まったら、次は写真をさらに効果的に見せる工夫を取り入れていきましょう。

写真のレイアウトで最も避けたいのは、すべての写真が同じようなサイズで並び、どれが主役なのか分からない「平坦な誌面」になってしまうことです。

そこで意識したいのが「ジャンプ率」。ジャンプ率とは、最も見せたい「メイン写真」と、その他の「サブ写真」とのサイズ差のことです。

主役となる写真は思い切って大きく配置し、その周囲に補足となる小さな写真を添えるように配置してみましょう。このサイズ差(ジャンプ率)が大きいほど、ページを開いた瞬間にメイン写真へ視線が集まり、誌面にメリハリと存在感が生まれます。

3-2. 「上部」への配置と「はみ出し」で誌面に広がりを出す

メイン写真は、ページの「上部」に配置するのが基本です。横組みの場合、人の視線は「左上」から「右下」へと流れるため(Zパターン)、ページ上部に大きな主役写真を配置することで、読者を自然と記事の世界観へ引き込むことができます。

さらに、誌面に躍動感を出すテクニックとしておすすめなのが、写真をページ内の境界線(版面)からあえて「はみ出させる」配置(裁ち落とし)です。

写真をページの端いっぱいまで広げたり、一部をページの枠線の外へ飛び出させたりすることで、写真の向こう側に景色が続いているような「動き」や「広がり」を演出できます。

上側に裁ち落としで写真を配置しているページのイメージ

3-3. 写真の魅力を引き出す「3分割法」のトリミング

ここからは、写真をさらに魅力的に見せるワンランク上のテクニックをご紹介します。

「集まった写真の構図がいまいちで、なんだかパッとしない……」というときは、不要な部分を切り取る「トリミング」を行うだけで、写真の印象が大きく変わることがあります。

その際に役立つのが、美しい構図の基本とされる「3分割法」です。写真を縦・横にそれぞれ3等分する線(グリッド線)をイメージし、その線が交わる4つの点のどれかに、主役となる被写体(人物の目や目立たせたい商品など)が重なるようにトリミングしてみましょう。

主役を中央に配置するよりも、あえて中心を外して3分割の交点に合わせることで、心地良い「余白」が生まれ、プロが撮影したかのような洗練された印象になります。

3分割法によるトリミングを施した、女性と仕事部屋の写真

また、被写体を中央に配置して引き立たせたい場合でも、3分割のラインをガイドとして使うことで、写真の傾きや上下のバランスを整えやすくなります。

3分割法によるトリミングを施した、可愛いアルパカの写真

この「3分割法」は、トリミング時だけでなく撮影の段階から意識しておくと、さらにクオリティーの高い写真が撮れるようになります。「いつも同じような写真になってしまう」「自分でも上手な写真を撮りたい」という方は、撮影のコツもあわせて押さえておきましょう。

▼以下の記事では、広報誌や社内報ですぐに使える「写真の撮り方」のテクニックを解説しています。

カメラ初心者でも一気にプロっぽく!広報誌・社内報・機関誌で使える撮り方&構図のコツ

3-4. 「切り抜き」で写真に躍動感を

「四角い写真ばかりで、誌面がどこか単調に見える」「もっとポップで親しみやすい誌面にしたい」
そんなときは、写真の背景を削除して被写体だけを見せる「切り抜き(背景透過)」を取り入れてみましょう。

以前は高度な編集技術が必要でしたが、現在は「Adobe Express」などの無料デザインツールや、スマートフォンの標準機能を使うことで、初心者でも簡単かつきれいに切り抜き加工ができるようになりました。

スーツ姿の男性2人が写っている写真の、切り抜き前と切り抜き後の比較

人物のポーズや表情をダイナミックに見せたいときや、商品をより引き立たせたいときは、背景を取り除くことで被写体が際立ち、誌面に新鮮な躍動感とメリハリが生まれます。

「いつも同じようなレイアウトになってしまう」とお悩みの方は、ぜひ切り抜き加工を試して、誌面の表現の幅を広げてみてください。

3-5. 「NG構図」に注意!

最後に、人物写真を扱ううえで絶対に避けたい、デザイン業界でよく知られている「NG構図」を3つご紹介します。無意識のうちに読者に違和感を与えてしまうことがあるため、トリミングや写真選びの際は必ずチェックしてください。

・首切り(くびきり):背景のビルの境界線やオフィスのパーテーションなどの「水平な線」が、人物の首の後ろを横切っている構図。
・串刺し(くしざし):背景の木や柱などの「垂直な線」が、人物の頭から突き刺さっているように見える構図。
・目刺し(めざし):背景の横線が、人物の「目のライン」と重なってしまっている構図。

首切り、串刺し、目刺し状態になっている写真の例

これらは、背景との位置関係で不吉な印象を連想させてしまったり、人物よりも背景の線に視線が向いてしまったりするため、デザインや写真撮影の現場ではタブーとされています。

撮影時に背景との位置関係を意識するのが理想ですが、すでに撮影済みの写真であっても、少し拡大して線が枠外に出るようトリミングするなど、改善できる場合があります。背景の線が人物に重ならないように意識しましょう。

4. まとめ:基本的なポイントを押さえて、読者に届く誌面を

今回は、広報誌や社内報、機関誌などの誌面作りにおいて、写真を効果的に使うための基本的なポイントを解説しました。

「失敗しない写真の選び方」「視線を意識したレイアウト」「ジャンプ率やトリミングの工夫」といった、実践しやすいポイントから一つひとつクリアしていくことが、魅力的な誌面を作るための近道です。また、写真データの画素数や解像度を確認したり、NG構図に気をつけたりといった基本を押さえるだけでも、誌面のクオリティーは格段にアップします。

ぜひ今回の記事を参考に、できるところから一つずつ取り入れてみてください。この記事がより良い誌面作りのヒントになれば幸いです。

取材・撮影・原稿整理・校正など、広報誌・機関誌専門の編集業務委託・BPOサービス

編集業務に関するご相談はこちら

「取材だけお願いしたい」
「この記事だけ作成してほしい」といったご依頼も可能です。
企画・取材・撮影・記事作成・校正など
編集に関するあらゆるお悩み、お気軽にご相談ください。