
画像ファイル形式の違いとは?JPG・PNGなど6種類の特徴と使い分けを解説
社内報やWebサイトなどで画像を扱う際、「JPGとPNGは何が違う?」「どのファイル形式(フォーマット)を選べばよい?」と迷ったことはありませんか?
画像のファイル形式にはさまざまな種類がありますが、実は「紙の印刷物で使う」「Webで使う」といった用途によって、適したファイル形式はある程度決まっています。
逆に、ファイル形式を適切に選ばないと、せっかく魅力的なコンテンツを用意しても、「社内報を印刷してみたら画像がぼやけてしまった」「思っていたよりも色がくすんでしまった」「Webサイトの読み込みが重くなってしまった」といったトラブルにつながることもあります。
そこで今回は、よく使われる6種類の画像ファイル形式(JPG・PNG・SVG・TIFF・GIF・WebP)について、それぞれの特徴や適した用途、印刷とWebでの使い分けなどを詳しく解説します。「まずは簡単に違いを知りたい」という方に向けて、6種類の特徴と比較できる一覧表もご用意しました。この記事を読み終わる頃には、それぞれの画像ファイル形式の特徴や違いを理解し、場面に適した形式を選べるようになっているはずです。ぜひ参考にして、日々の広報・編集業務にお役立てください。
1. 画像ファイル形式6種類の比較表
まずは、ファイル形式ごとの用途や特徴を、比較表としてまとめました。次の章からは、それぞれのファイル形式について、より詳しく解説していきます。
| 形式 | 主な用途 | 印刷適性 | Web適性 | 背景透過 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| JPG | 画像全般 | ◎ | ◎ | × | 軽量かつ高画質 汎用性が高く、印刷にもWebにも使える |
| PNG | ロゴ・イラスト・図解など | × | ◎ | 〇 | 背景透過が可能 文字・線がぼやけにくい |
| SVG | ロゴ・アイコンなど | △ | ◎ | 〇 | ベクターデータのため、 拡大・縮小しても画質が落ちにくい |
| TIFF | 画像全般(高画質) | ◎ | × | 〇 | 印刷・出版業界で広く使われている ファイルサイズが重くWebには不向き |
| GIF | ロゴ・簡易アニメーションなど | × | 〇 | 〇 | アニメーションに対応 表現できる色数が限られる |
| WebP | 画像全般 | × | ◎ | 〇 | 高圧縮で軽量化しやすい、 Web向けファイル形式 |
2. 画像ファイル形式の特徴・強み・注意点
JPGとは?:印刷でもWebでも使える、汎用性の高いファイル形式

・主な用途: 画像全般
・背景透過: ✕(不可)
・拡張子: .jpg / .jpeg
JPG(ジェイペグ/JPEG)は、世界中で広く使われている代表的な画像ファイル形式です。デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真の多くが、このJPG形式で保存されています。
ファイルの拡張子には「.jpg」が多く使われていますが、これはWindowsの旧バージョンで拡張子が3文字までに制限されていた名残で、現在では「.jpeg」が使われることもあります。
JPGの強み:軽量かつ高画質で、印刷にもWebにも使える
JPGの最大の強みは、高画質な写真を比較的小さなファイルサイズに抑えられることです。JPGでは、人間の目では気づきにくい色情報などを削ってデータを圧縮する「不可逆圧縮」という方式が使われています。そのため、画質をある程度維持しながら、データ容量を小さくできます。
また、グラデーションや色の変化が滑らかな「写真」の保存を得意としており、約1,677万色という豊富な色を表現できます。
基本的には印刷物にもWebサイトにも使える汎用性の高いファイル形式ですが、「Web用のJPG画像をそのまま印刷に使う」といった場合には注意が必要です。印刷時に写真がぼやけたり、色味が変わったりすることがあります。
これらの失敗を避けるためには、「解像度」と「カラーモード」の2点を押さえておく必要があります。
JPGの注意点 1:「解像度」が不足すると印刷時に画質が粗くなる
「解像度」とは、簡単に言うと「画像のきめ細やかさ(密度の濃さ)」のこと。「dpi(ディーピーアイ)」という単位で表されます。
・Webサイト用: 72〜96dpiが目安となり、画面上で表示するサイズに適した解像度であればOK
・印刷用: 一般的に300〜350dpi程度が目安となり、Web用に比べて約5倍の解像度が必要
WebサイトからダウンロードしたJPG画像を、社内報などの誌面に配置して印刷すると、データ量が足りず、印刷したときにぼやけたり、モザイクのように粗くなったりすることがあります。印刷物には、必ず高解像度(350dpi程度)の元画像を用意しましょう。
ちなみに、iPhoneなどの高精細なスマートフォン画面でも、Web上の画像が少しぼやけて見えることがあります。Webサイト用の画像を作成するときは、表示したい大きさより「2倍のサイズ(ピクセル数)」で画像を用意し、Web上で縮小して表示させると、高精細な画面で見ても美しい写真になります。
JPGの注意点 2:印刷する場合は「カラーモード」の変換が必要
印刷とWebでは、色の表現方法(カラーモード)が根本的に異なります。
・印刷(CMYK):シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックという「4色のインクの掛け合わせ」で色を作る
・Web(RGB):レッド・グリーン・ブルーという「3色の光の掛け合わせ」で色を作る
ディスプレイ(RGB)で見る写真は、光の表現なので色鮮やかで鮮明ですが、それをそのまま印刷機(CMYK)で紙に出力すると、「全体的に少し暗く、くすんだ色合い」に変化してしまいます。
印刷に使うJPG画像は、事前に適切なカラープロファイル(日本の商業印刷の場合は「Japan Color 2001 Coated」)を使用して「CMYKモード」に変換することで、色の変化を最小限に抑えることができます。色の変換や調整が不安な場合は、変換前の高解像度データのまま、印刷会社や制作パートナー(編集会社)に相談するのが安心です。
▼印刷やDTPといった編集業務の基本用語をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
PNGとは?:「背景透過」とくっきりした画質が得意なファイル形式

・主な用途: ロゴ・イラスト・図解・PCのスクリーンショット・背景を透過したい画像
・背景透過: 〇(可能)
・拡張子: .png
PNG(ピーエヌジー/ピング/ピン)は、主にWebサイトやデジタルコンテンツ向けに開発された画像ファイル形式です。データサイズを抑えながらも、元の画質を維持して保存できる「可逆圧縮」という技術が使われています。
最大の特徴は、「背景を透明にできる(透過処理)」ことと、「文字や境界線をくっきり綺麗に表示できる」ことです。
PNGの強み 1:背景透過ができるため、デザインの幅が広がる
PNGは背景を透明にして保存できるため、さまざまなデザインに組み合わせやすいのが特徴です。
例えば、会社のロゴマークやキャラクターのイラストを背景透過のPNGで保存しておけば、Webサイトのグラデーション背景やカラーバリエーションがあるページの上に配置しても、すっきりと綺麗になじませることができます。
PNGの強み 2:文字や図解がぼやけない
PNGは「可逆圧縮」を行っているため、色と色の境目をくっきりと保つのが得意です。
一方で「不可逆圧縮」を行っているJPGの場合、データ容量を小さくできる反面、文字や輪郭のはっきりした画像だと、文字の周りにノイズが生じ、ぼやけて見えることがあります。
そのため、「グラフ」や「説明用の図解」、「PCの操作画面(スクリーンショット)」などは、JPGではなくPNGで保存すると、文字や線までくっきりと読みやすく表示できます。
PNGの注意点:CMYKには非対応
PNGを使ううえで注意したいのが、「印刷物(紙)には向いていない」という点です。PNGは、Webやディスプレイ表示のために作られたファイル形式(RGB)のため、印刷に必要なCMYKには対応していません。
もし社内報などの誌面デザインにPNG画像をそのまま配置して入稿してしまうと、印刷所のシステムでエラーが出たり、意図しない色に変わってしまったりする原因になるため、注意が必要です。
SVGとは?: 拡大・縮小しても画質が落ちにくいベクターファイル形式

・主な用途: ロゴ・アイコン・シンプルなイラスト
・背景透過: 〇(可能)
・拡張子: .svg
SVG(エスブイジー)は、主にWebサイトのロゴやアイコンなどで使われる、XMLベースの画像ファイル形式です。XMLとは、「データの構造を表現するためのマークアップ言語」の一種です。
SVGの最大の特徴は、一般的な写真(JPGやPNG)とは画像を表示する仕組みが根本的に異なり、「ベクターデータ(ベクター形式)」であるという点です。
JPGやPNGがピクセルという小さな点の集合によって画像を表現するのに対し、ベクターデータであるSVGは、点や線の位置関係をXMLによる「数式(テキスト)」として記録・描画します。そのため、以下のような独自の強みを持っています。
SVGの強み 1:どんなに拡大・縮小しても画質が劣化しない
JPGやPNGは「小さな色の点(ピクセル)の集まり」で描かれているため、大きく拡大すると点が目立って画像がぼやけたり、輪郭がギザギザになったりします。
一方、SVGは「線や色情報が記録されたテキスト」をもとに画像を描画しているため、拡大・縮小しても、線や色がくっきりと美しいまま保持されるのです。
スマートフォンの小さな画面から、4K・8Kといった大型ディスプレイまで、どんな画面で見てもロゴやアイコン、シンプルなイラストをくっきりと綺麗に見せることができます。
SVGの強み 2:ファイルサイズが軽量
SVGは、画像そのものではなく、図形や線などの情報をテキストとして保持しています。
そのため、シンプルな色と線で描かれたロゴやイラストであれば、ファイルサイズが非常に軽くなります。Webサイトの読み込み速度を落とさずに、美しい画像を表示できるのもメリットです。
SVGの注意点:印刷で使う場合は要変換
SVGは基本的にWebブラウザで表示するために作られたデータ形式のため、CMYKには対応していません。そのまま印刷用のレイアウトツールに配置して入稿すると、印刷会社のシステムによっては正しく読み込めなかったり、文字や線がずれてしまったりすることがあります。
印刷物でベクターデータを使いたい場合は、SVGではなく、デザインツールの標準である「Adobe Illustrator形式(.ai)」や「印刷用PDF(.pdf)」といったデータに変換して入稿しましょう。
TIFFとは?:高画質を維持できる印刷・出版向けファイル形式

・主な用途: 印刷・出版用の写真や画像データ(高画質保存用)
・背景透過: 〇(可能)
・拡張子: .tif / .tiff
TIFF(ティフ)は、主に印刷や出版の現場で使われている高画質な画像ファイル形式です。
最大の特徴は、画質を維持したまま、データを「無圧縮」または「可逆圧縮」で保存できる点です。
TIFFの強み:編集・保存を繰り返しても画質が劣化しない
JPGなどの不可逆圧縮ファイル形式は、編集・保存を繰り返すたびに少しずつ画質が劣化していきます。
一方、TIFFは無圧縮や可逆圧縮で保存できるため、何十回・何百回と保存を繰り返しても画質を維持することができます。
Web用のPNGも画質を維持して保存できるという点では共通していますが、TIFFの場合は印刷用の「CMYKモード」や「高解像度(350dpi〜)」のまま非劣化で保存できるのが強みです。また、背景の透過にも対応しています。
そのため、広報誌やポスター、写真集などの印刷物で「画質を落としたくない写真」や「印刷前のマスターデータ(保存用)」として重宝されています。
TIFFの注意点:ファイルサイズが大きくなりやすい
TIFFの大きな弱点は、「データサイズ(容量)が重くなりやすい」ということです。画質を落とさずにすべての色情報をそのまま保存しているため、JPGやPNGに比べてファイルサイズが数倍〜十数倍になってしまうことがあります。
Webサイトに掲載するとページの読み込み速度が遅くなってしまうため、Webブラウザでの表示には向いていません。
GIFとは?:簡易アニメーションに対応したWeb向けファイル形式

・主な用途: ロゴ・シンプルなイラスト・簡易アニメーション
・背景透過: 〇(可能)
・拡張子: .gif
GIF(ジフ)は、1980年代から使われている歴史の長い画像ファイル形式です。読み方は「ギフ」ではなく「ジフ」と読みます。
最大の特徴は、複数の画像をコマ送りのように連続で表示させる「アニメーション画像(GIFアニメ)」を手軽に作成できる点です。
GIFの強み:動画ファイルを使わずに「動き」を表現できる
動画ファイル(MP4など)をWebサイトに埋め込むとデータ容量が重くなりやすいですが、GIFなら軽量なデータで「動きのある表現」を作ることができます。
Web上の社内報やマニュアルなどで、「画面の操作手順を短時間で見せたい」「ロゴやボタンを少し動かして目立たせたい」といったときに活躍します。また、特別な動画プレイヤーを必要とせず、ブラウザ上で自動再生されるのも大きなメリットです。
GIFの注意点 1:表現できる色が「256色」に限られる
GIFの大きな弱点は、画像内で表現できる色数が最大256色までに制限されていることです。
写真のように何百万色もの繊細なグラデーションが必要な画像にGIFを使うと、色が粗くなって画質が著しく劣化してしまいます。
そのため、色数の少ない「シンプルなロゴ・イラスト・アイコン」や、簡単なアニメーションなどに使うのが良いでしょう。
GIFの注意点 2:印刷(CMYK)には非対応
GIFもWeb表示用に開発されたファイル形式(RGB専用)のため、CMYKには対応していません。色数にも制限があるため、紙に印刷すると画質が大幅に荒れてしまう場合があります。
印刷物では、高解像度のJPGやTIFFなど、印刷に適した画像形式を使用しましょう。
WebPとは?:画質を維持して軽量化できるWeb向けファイル形式

・主な用途: 画像全般(Webサイト内の写真・図解・バナーなど)
・背景透過: 〇(可能)
・拡張子: .webp
WebP(ウェッピー)は、GoogleがWebサイトの表示速度向上などのために開発した、比較的新しい画像ファイル形式です。
最大の特徴は、JPGやPNGと同等の画質を保ちながら、データサイズをさらに軽くできるという点です。
WebPの強み 1:JPGとPNGの「いいとこ取り」ができる
WebPは、写真などの圧縮に加えて、PNGのような透過やGIFのようなアニメーションにも対応している、多機能なファイル形式です。
・高圧縮: JPGよりもデータサイズを25〜34%ほど削減できる
(出典:An image format for the Web | WebP)
・背景透過: PNGのように背景を透明にできる
・アニメーション対応:GIFのように動く画像にも対応
つまり、写真もイラストもロゴも、すべてWebPにまとめて変換してWebサイトに掲載することで、画質を落とさずにサイト全体のデータ量を軽量化できるのです。
WebPの強み 2:画像を軽量化することでWebサイトの表示速度改善につながる
Webサイトでは、画像のデータ容量が大きいほど、ページの読み込みに時間がかかる場合があります。サイト内の画像をWebPに置き換えて軽量化すると、ページの表示速度が上がり、読者が快適に閲覧できるようになります。
また、Webサイトの表示速度はユーザー体験に関わる重要な要素であり、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも無視できません。そのため、Webサイトに掲載する画像を適切に圧縮・最適化することは、SEO対策の一環としても重要です。
WebPの注意点:CMYKには非対応
非常に便利なWebPですが、主にWebでの利用を想定したファイル形式であり、CMYKには対応していません。
そのため、WebPの画像をそのままレイアウトツールに配置して印刷・入稿することは避けましょう。印刷物では、高解像度のJPGやTIFFを使用するのがおすすめです。
3. まとめ:用途に合わせた最適な画像ファイル形式を選ぼう!
画像のファイル形式には、それぞれ明確な得意・不得意があります。
「どれが一番優れているか」ではなく、「紙(印刷)なのかWebなのか」「写真なのかイラスト・ロゴなのか」という目的に応じて正しく使い分けることが、デザインのクオリティーを高め、トラブルを防ぐ近道です。
最後に、迷ったときのための「画像ファイル形式選びの判断基準」をまとめました。
社内報・広報誌・ポスターなどの「印刷物」で使う場合
・通常の写真: JPG(高解像度 300〜350dpi & CMYK変換)
・高画質で残したい写真やマスターデータ: TIFF
・ロゴやイラスト: Illustratorデータ(.ai)や印刷用PDF
Webサイト・デジタルコンテンツで使う場合
・風景や人物などの写真: まずはJPG(サイト全体を高速化させるならWebPもおすすめ)
・ロゴや図解、スクリーンショット: 文字や境界線がくっきり見えるPNG
・拡大しても荒れさせたくないロゴやアイコン: SVG
・簡単な動きをつけたいとき: GIF
用途に合った最適な画像ファイル形式を選んで、誌面やWebサイトをより魅力的に仕上げていきましょう。
▼写真選びのコツやレイアウトの基本について知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。



